中野内科クリニック＠富塚

　”子供の長引く咳”　その原因について・・・・・

　まず、どのくらい長引く咳を心配したらいいか？
　　一般的には６～８週間続く咳を慢性咳（長引く咳）といいますが、私は２～３週間続いたらふつうではないと考えています。
１～２ヶ月もほうっておけないですよね～

　さて、原因ですが・・・・・
大人ですと、圧倒的に上気道炎（咽頭炎とか鼻炎、いわゆるかぜ）のあとの咳の長引きですが、

子供では、
　１）鼻炎、副鼻腔炎の後鼻漏からくる咳
　２）喘息様の咳
　３）感染性の咳
　４）異物（誤飲）
ってところではないかとい思います。

　１）は、”はなみず”だドロッとして黄色から緑色になってくると鼻の奥から口の中に”はなみず”がたれる後鼻漏というのがおきます。
　寝ると後鼻漏が顕著になってのどに”はなみず”がからむ感じで咳がでる。
　いわゆる痰がからんだ咳になる、のです。
　朝起きたときにも、のどに”はなみず”＝痰が貯まっているので咳がでやすい、のです。


　２）は、喘息の咳です。乳幼児の喘息診断は非常に難しいです。
　なので喘息様の咳！って言っています。（これは私だけの表現だと思います。）
　学童の年代でも実は運動時に喘息様の症状が以前からあって、咳が長引いて受診されるというケースがあります。ぜーぜーしていなくても咳喘息って言うのもあります。


　３）は、いわゆる細菌（ばい菌）感染による咳、です。
　マイコプラズマとか肺炎クラミジアとか、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ菌といった細菌によって気管支炎なり、喉頭炎なり、肺炎になったりするものです。
　最近は、２～３週間経って、実は肺炎だった！なんて症例もありました。


　４）は、乳幼児にあり得ることで、間違って気管に異物を吸い込んでしまうことです。
　堅くて小さいもの、ピーナッツとかが多いと言われていますが、私は、まだ誤飲の例は出会ったことがありません。
　なにかの拍子に息をすったときに「ヒュー」とか「ピー」とかする感じがあるときには疑いたくなる病気の一つです。

以上、こどもの咳が長引く原因についてでした
なお、私はこどもの診療を専門としてこなかった一呼吸器科医ですので、今回の内容はすべて私の私見であり、本当の専門家に言わせると違う部分もあるかもしれません。その辺はご了承下さい。