中野内科クリニック＠富塚

　学校が冬休みに入る間際からインフルエンザが急増してます。幸い学校が休みに入ったので集団感染はまぬがれそうです。
さて、現在流行のタイプはA型で、AH1です。
このタイプのインフルエンザはどの薬でも有効です。
昨シーズンは、よく勉強をされていないドクターが薬メーカーの宣伝におどらされて、ゾフルーザを処方しまくったようでしたが、ゾフルーザによる耐性ウィルス誘導やゾフルーザ無効ウィルスの存在、症状を長引かせる症例があることなどなど、報道を通してネガティブな情報が流れ、今シーズンにゾフルーザを処方されるケースは非常に少なくなるだろうと思われます。
これは大変良い傾向なのですが、一度ネガティブな報道なり情報が流れると、そのネガティブ情報がのちに間違いだった、と判明しても一般世論を替えるだけの報道や情報提供がなぜなされないのか？不思議でなりません。

タミフルは危険な薬だ！
タミフルのせいで自殺する？異常行動をする？

こんな報道が数年前あったような・・・・・
タミフルとインフルエンザの異常行動との因果関係はその後の大規模調査の結果、完全に否定されており、全く因果関係がないことがすでに判明してるにもかかわらず、相も変わらず危険だから・・・とタミフルを拒否する、のはいかがなものでしょうか？

AH1のタイプなら、どの薬も効果に違いはありません。医療経済的にも最も安価なタミフル、あるいはタミフルのジェネリックを使用するのが最も良いと私は思っております。
抗インフルエンザ薬を使用しなくてもインフルエンザは治ります。健康な成人であれば薬は使わないで家で安静にしてるというのもアリ！ですが、抗インフルエンザ薬を使って早く良くなりたいと思っているときに使用する薬の選択枝に今シーズンのインフルエンザであればイナビル、という選択枝は私の中ではありません。
薬の値段って知ってますか？以下が治療期間分の値段です。
タミフル￥2680
タミフルジェネリック￥1300
イナビル￥4360
リレンザ￥2890

イナビルは1回吸入するだけで済んでしまうと言う大変楽な薬であり、タミフル耐性遺伝子をもったAH3のインフルエンザに対してタミフルと同等の効果があった、ということをウリにメーカー宣伝効果もあり、値段が倍ぐらいするにもかかわらず2018年の国内使用シェアが最大で50％にもなった薬です。
国際的な大規模試験では、プラセボ（薬を使用しない群）と比較して効果が変わらなかったため途中で試験が中止され、今後、国際的には研究がされることがないだろう薬であり、日本でしか使われない薬になっています。この意味することがわかるでしょうか。日本でしか売れないのでメーカーは売りにだすためにあまり勉強してないドクターに宣伝をするわけですよ。ゾフルーザみたいに・・・。そうすれば使ってくれますし・・・。薬の値段が他の倍したって、本人の支払は3割だから・・・って感じになるわけですな。

やや過激な内容でちょっと熱くなってしまいましたが、今シーズンのインフルエンザはAH1ですからどの薬でも効果は同じ。内服薬が嫌であればリレンザをオススメします。