子供の咳が長引く・・・・・その3

ひげ先生

2012年06月20日 22:50

 ”子供の長引く咳” その治療について・・・・・

1)鼻炎、副鼻腔炎からくる後鼻漏からくる咳
  基本的には去痰薬といわれている薬が中心になります。どろどろの鼻水をサラサラにさせることで副鼻腔へ膿がたまるのを予防し、排出させるのが目的です。
 ムコダインとか、ムコソルバンがそれです。
アレルギー性の要素がある、あるいは鼻汁の好酸球があれば、アレルギーの薬を併用します。

5~7日経過みて、痰や鼻汁がネバネバになって色が濃く、黄色から緑になるようなら抗生剤を追加していの治療をします。


2)喘息様の咳
  明らかな喘息の場合と、喘息っぽいような咳、咳喘息の治療では、少し治療方針が変わってきます。
 明らかに喘息だったら、吸入ステロイド剤をメインとした薬が中心です。私は、まずアドエアを処方することが多いです。アドエアにはパウダーとエアゾールがあるので、パウダーが出来そうならパウダーが第一、難しいようならエアゾールタイプを補助器具をつけて処方します。
 明らかに喘息ではない、喘息っぽい咳とか咳喘息、吸入をいきなりはかなり難しいような小さい子(3歳以下)の場合は、内服で効果のでるかのうせいがあるロイコトリエン拮抗剤(オノンとか、シングレア、キプレス)をホクナリンテープと一緒に処方します。

3)細菌(ばい菌)による気管支炎、喉頭炎、肺炎の咳
  抗生物質が中心になります。
想定される病原菌によって、抗生物質の種類は変わります。
 定型的な病原菌であり、主原因の代表的なものである肺炎球菌、インフルエンザ菌では、ペニシリン系の抗生剤(アモキシシリン、パセトシン)、モラキセラ菌も想定されるようなら、βラクタマーゼ阻害薬というものが配合された薬(オーグメンチン、クラバモックス)を使います。
 非定型的な病原菌である、マイコプラズマや肺炎クラミジアとかが想定されるようなら、マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン、ジスロマック)を使います。
 どちらかが紛らわしいときはマクロライドを優先します。なぜならマイコプラズマとか肺炎クラミジアは結構ひどい咳になるのと、感染性が強いからです。
 上記の抗生剤+去痰薬が基本でマイコプラズマや肺炎クラミジアとかが想定されるようなときに咳止めを追加するってかんじです。


以上、ちょっと詳しく、専門的になってしまいましたが治療編でした。
すでにお気づきかと思いますが、いわゆる”咳止め”は、基本的には積極的には使用しないのです。
なぜか?
 咳止めは、痰や鼻水の粘調度を悪くさせるので、痰がでなくてはいけないような状況や鼻汁がでなくてはいけないような病態を悪化させて、症状が長引かせる可能性があるからです。

咳止めが病気を治すのではなく、咳の原因となる大元を治療しなくてはならないというのが基本になっています!
以上、子供の咳がながびく3シリーズでした。

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