新しい喘息の吸入薬_レルベア

ひげ先生

2014年03月19日 22:20


先日、レルベアの発売を記念した全国講演会へ行ってきました
会場の写真を撮り忘れてしまって、雰囲気が伝わらないのが残念ですが、全国から600名ほど呼吸器科の医師達が集まったようです。

レルベアは、以前にも少し触れましたが、グラクソスミスクライン社から発売された、新しい喘息の吸入薬です。
ステロイド剤と長時間作用する気管支拡張剤との合剤で、これまで最強と言われていたフルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)というステロイド剤より、さらに強力なフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)というステロイド剤が初めて吸入薬に採用されたというのが特徴です。

このフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)は、その作用が強力であるがゆえに、1日1回の吸入でいい、というのも特徴です。

では、なぜフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)がいいのか?
このことを今回の講演会では明確にしてくれました
 喘息はアレルギーの気道炎症ですので、炎症を抑えこむステロイドの吸入が必須ですが、これまでの吸入剤を使用していても反応に乏しい難治例やりモデリングというきれいな気管支に戻らない状態になってしまう現象が起きていました。
FFは、そのようなこれまで反応に乏しい気道炎症に効果的である可能性があります。

気道炎症をしっかりと抑え込んでくれる可能性がある ということがよ~くわかったというのが収穫でした。

 あと、ステロイド不応という状態があることも勉強させていただきました。
従来のステロイド吸入が効きにくい状態のことですが、そのような状態にFF吸入が有効な実験データを示していただいたのも大きな収穫でした。

 さて、こんないい薬なら喘息の全例に使えばいいじゃないか、って声が出るかもしれません。 私の答えはNO です。
やはり、個々の状態、状況に応じた治療薬の選択が必要と思います。
私の位置づけは、レルベアは第一選択ではなく、他剤で治療しても効果に乏しいとき、他剤の吸入をちゃんとした手技で毎日しっかりとできていても効果に乏しいとき、に考慮する第二、第三選択肢の薬剤と考えいます。

間違っても咳喘息の状態にだすような薬ではないです
以上、久しぶりに中野内科クリニックから最新の治療についてでした。

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